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☆友禅染用刷毛(カナヤ式糊刷毛)
この糊刷毛はカナヤ式糊刷毛と言って糊刷毛のエッセンスで、糊刷毛の要素が集約さ れ、値段も安く、その道の職人はもとより素人のかたでも良く使える、独特の刷毛で
すね。
☆ボディブラシ
(赤い紐が付いてるブラシは何?)これはボディブラシ。使い込むと具合がいいんで すよ。みなさんも体験してください。ほら、この赤い紐が可愛いでしょう? 裸にな
って石鹸をつけると良く滑るんですよ。それでね、最初はちょっとぎこちないかもし れないけれど、とにかく気持がいいんです。なんたって普通のブラシの倍泡が出るん
ですから。垢みたいな、要するに皮膚の削れたのが倍は出ますね。それからこのブラ シは木の部分が反って、毛の部分が湾曲になるんで、喉とか脇の下は申すに及ばず、
体中が奇麗に洗えるんで、ものすごく衛生的なんです。(ずいぶん考えた?)これは もう考えましたね。(いつ頃?)考えたのはかなり古いんですが、うちはピーアール
が下手だから、こうやってお店で売ってりや、どんどん売れてくってことで、総合し てすべての品物が売れればいいんですよ。そうすればそれなりの売上になりますから
ね。
☆ペットブラシ
これはペットブラシ。犬や猫の背中をはじめ体中を櫛掛けしてペットの健康を増進す る、衛生上必要なブラシです。一般的には毛の部分が針金で出来ているので、ペット
の体に疵が付きやすいんですが、この品物はイノシシの毛を使っているので、うまく 毛が梳けるだけでなく、ペットの体に疵が付かないので、もう犬は目を細め、猫はゴ
ロゴロ喉を鳴らしてすり寄って来るっていうブラシです(笑)。柄にヒモを付ければ 散歩の時に便利です。このペットブラシがものすごく売れるんですよね。これを持っ
てったお客さんはみーんな素晴らしい、素晴らしいって。
☆友禅染用丸刷毛
(この刷毛は何に使う?)染め物に友禅染めっていうのがあるでしょう? 優美な仕
上がりで、日本女性あこがれの素晴らしい着物が出来るんですが、その友禅を染める のに使うんです。で、この刷毛の形は平刷毛で、四本の箸でつまむように鹿毛をはさ
んだもので、俗に丸刷毛って言うんです。50号(φ140mm)と60号(φ mm)があり ます。伝統工芸品の一つで、この刷毛は能面の表情のボカシにも使いますね。
☆千社札用刷毛(めおと刷毛)
千社札を貼るブラシで俗にめおと刷毛って言います。(千社札?)昔から名刹(めい さつ)や古寺の山門や天井に大小さまざまの紙札を貼る習慣があって、その紙札を千
社札って呼ぶんです。お参りした記念に貼るわけですね。(これで高い所に届く?) 長い竿の先にこのブラシを取り付けて、糊の付いた札をその上に載せてどんどん貼っ
ていくんです。なかなか粋なものです。
☆木版刷毛・木版ブラシ
錦絵や版画の製作に無くてはならないものです。ブラシ式と刷毛式の二通りがあって
、木版に絵具を塗るのに使います。だから多色刷りの場合は、それぞれの木版と刷毛 が要るんです。
●創業は八十五年前
(子供は?)子供たちって、みんなもう四十近い。(いっしょに仕事してる?)ええ
、子供4人。ブラシも作ってるし、中には外交もやってるし。(会社の社員は子供た ち?)それとあとは、要するに従業員で。(浅草は長い?)ここの場所へ出したのは
、三年目なんですけど、うちは創業は八十五年前、大正三年。(二代目?)そう、わ たくしが二代目。(先代は何を作った?)主としてはペンキ刷毛。ところが今、ペン
キはほとんどローラーになりましたからね。刷毛にこびりついてたら駄目ですからね 。(今戸がもともと?)そうそう、そうそう。今戸へ行ったり、ここへ来て、お店の
状況を見て、どういうもんが売れるとかなんとかね、常に工夫してるわけです。(お 客の意見が分かる?)ですからね、ここはいわゆる民生の品物に徹しましょうと、ね
? 民生の反対は工業用でしょ? だから東芝とか日立とかソニーとか、そういう方 面へずっと商いしてますから。ここは一般家庭用の商品を徹底的に置きましょう・・
・こういうことですね。(カメラマンに)しかし、大変ですね、そうやって写真を撮 るってことは。大勢さんでいらっしゃるから、これができるけど。毎年、わたくしも
カタログを作るときには夢中になってやったんですがね、もう今はその根気もありま せんね。(今戸は何を?)工場(こうば)。(業務用のブラシは機械で?)そうね。
●これはお白粉(おしろい)刷毛
(これは何?)洗濯したあとの靴下、セーターの毛玉取り。室内では犬、猫の毛がカ ーペットに沈んでいるでしょう? それでこするとモサモサモサっと、犬の毛や猫の
毛がくっつくんです。(何の毛?)これは化学繊維。(蕎麦打ちブラシって何?)あ あ、お蕎麦屋が蕎麦打ちするときに、こんな台の上に粉をかき集めてきて。(払うの
でなく、集める?)そう、こういう風に集めてきて、そいでまた散らばして、そいで もって蕎麦を打つわけですね。これも特殊ですから。これはお白粉(おしろい)刷毛
。(芸子さんが?)そういうこと、そういうこと。襟足をね。(おかみさんが下の方 まで塗る?)良くご存じですね。遊びに行かなきゃそこまで分かんない。(おかみ)
案外ね、男の方でマニアで、それ買って頂いています。それに踊りの三味の先生・・ ・白塗りって言う。
●まさに生き残りをかけてる
わたしんところではブラシ屋としてのね、やっぱり生き残りをかけてる、生き残りを
。(生き残りというと穏かじゃないが?)いや、あのねえ、ブラシ屋っていうのはだ んだん、廃る(すたる)んですよ。(でも需要はある?)だから、需要っていうのは
やっぱり自ら開拓しなきゃ駄目なんですよ。あと四、五年たったらば、かなりブラシ 屋の形態も変化しますよ。で、結論的にはやっぱり技術を持っているほうが生き残っ
てくわけよ、ね。で、あたしんとこじゃ、ここが民生用、民生用って家庭用ね。あと は東芝、日立、ソニー、そういう方面へ近代的なハイテク関係のいろんなブラシを、
そこで拵えていますから。ですから、大きな発電所でもなんでも、そこで使うモータ ーの一部にやっぱり使うものをね。ですから、同じステンレスのブラシでも、この辺
の118というステンレスじゃ駄目なんですよ。もっともっと精度の高いステンレスを 使って、そいで原子力に応用できる、要するに、そういう弊害の無い純粋なステンレ
スを使って品物を作ってる。(それは親方が始めた?)これは、東芝、日立に品物を 入れてるから、お客さんの方から、こういう線材を使ってくれ、ああいう線材を使っ
てくれっていって、いろんな要求が入ってくるわけ。その要求によって、線材を選定 して。あと、ふつう一般用は188っていうご存知の。それからあとは、304とか316と
かいう、記号でもって成分が保証されてる専門的な呼び方もあるわけね。(相当大き な工場を持ってる?)いや、工場としては別にたいして大きくはありませんけれど、
いまうちへドイツの機械が三台入っているかな? 本社のほうでやってるんです。そ れから毛なんかも、もう手でミックスしてないで、機械でどんどんミックスしていく
し、線材を切るのも一本一本切らないで、こんな束んなったものがゴソッゴソッって 切れるような道具も入っているし、要するに営業なりに、それぞれの要求に対応でき
るだけの設備はあるわけ。(息子さんたちも手作りと機械で?)使う、うん。やっぱ り、まさに生き残りをかけてる。あのね、これなんて日本中でうちだけしか作ってな
いんですよ、日本中でうちだけ。若干真鍮が入ってるんです。それですから、スエー ドの靴のホコリを払うと同時に、スエードの目を立てるっていう、うちにはそういう
応用力があるわけね。(今日はわざわざ舞台仕立てもしていただき有難うございまし た)はい、どうも。
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