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●貴金属の製造・修理と職人の教育●


いちばん格好いい職人になった
教室からプロが育つ
技術を世界に広めたい
ぜんぶの工程がやれる人は少ない
外国人の職人は上手でも不利
外国からくる修理の仕事





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平本(ひらもと)工房 貴金属の製造・修理と職人の教育
●いちばん格好いい職人になった
(仕事を始めたのは?)15歳。きっかけはね、職人になりたいなってことで、いろん な職人さんがいらっしゃるので、いちばん格好のいい職人は何だろう? で、飾り屋さんていう職業が銀行員も、いろんな女性も注目してくれるので、そういう仕事がい いんじゃないかっていう人の誘いがありまして、なりました。はい。ほんとはブリキ屋さんになりたかったのね。なんか屋根の上に乗っかってね、いろんな人ながめられ るし。大人になったら、こういうビルん中に住んでるからね、いつもながめていられ るけど、ま、そういう仕事やりたかったの。(お父さんがこういう仕事をしてた?) ぜんぜん。

●教室からプロが育つ
(ひと通りできるようになるには?)半年。最低ね。で、プロになってもいいかなっていうのが二年。昔は五年、十年。でも、あれは親方が教えてくれなかったのね。いま僕が教えていんのは、自分が三年かかったことを三か月ぐらいで教えてるのね。昔 はあんまり教えちゃうと早く出られちゃうから(教えなかった)。(作るのと教室の比率は?)五分五分です。(生徒でプロになる人は?)おります。じょうずなかたは 一年でプロになりますね。職人さんになりたい人はここで雇います。ただ、初めから 何十万ももらえないけど、お小遣い程度ですけど。それで、やりながら覚えていく。 不思議と、あの人を私のところに紹介してくれないかとか、いい人いないかって、け っこういろんな業者から問合せがありますんで、みんな職人になっていっちゃう。

●技術を世界に広めたい
技術っていうのは、親方に教わるだけじゃなくってね、お客様に教わるほうが多いん ですよ。だから、じょうずになるのはお客様と接して、一つひとつ商品を作って、叱られながら覚えていく。これがいちばん早い。職人としてね。うちはその方法をとっ てるんです。だから早く職人さんになってほしい、ってのが僕の希望です。あとは、 うちの技術が海外へ出てって、いろんなことをみんなに教えてあげられればとっても いいことです。昔は外国からいろんな技術を学んだわけですが、こんどは逆に僕たち が勉強したことを世界中に広められればいいんじゃないか、だけです。

●ぜんぶの工程がやれる人は少ない
工程が多いだけにね、貴金属業界って部分的な、分業生産が多いので、磨くのなら磨 くのだけでも食べていかれるし、地金だけを買って僕のところに売っても。でも、そ れはいろんなことが分からないと、そういう商売はできないですね。十工程なら十人 の職人さんがいてもおかしくない。おそらく台東区では僕みたいに何でもできるって 人は少ないんじゃないかな。(東京に同業者は?)いっぱいいます。

●外国人の職人は上手でも不利
けっこう外国の人も、いま四割強ぐらいは職人さんとして日本に来てますね。やっぱ り上手です、日本へ来る人は。お値段も安いしね。だから、ちょっと日本の人は負けてるけど。貴金属っていうのは信用も大事なのね。ぜんぶ外国人にお任せすることは できないじゃない? やっぱり日本人の、昔からやってる、代々伝わる人にやっても らいたいって人も多いんでね。まして銀座とか、老舗(しにせ)はほとんど、外人さ んにやってもらうのは嫌いますね。よく「外人さん使ってらっしゃるんですか?」っ て聞かれますけど、「うちは使いません」っていうことで、うちは使いません。

●外国からくる修理の仕事
イタリア、フランス。香港がいちばん多いね。(むこうには職人がいない?)いや、 います。いるけど、これほんとの話なんだけど、日本の商品の40%くらいは外国で作 られているんですよ。で、それを直しっきれる人が少ないんです。なんでも基礎を知 らないと直せないのね。だからどうしても、うちに集まって来ちゃう。宝石はどんな に素晴らしく出来ても、デザインが気に入んないと、何百万ドルがみんなキャンセル 。 結婚指輪を作る(※☆印の写真の説明) 指輪を始めるいちばん基礎。どんなうまい職人さんであろうと、へたな職人さんであ ろうと、ここはぜんぶ通らなけりゃいけない道なのよ。いまちょっと銀が流行ってい るのでシルバーでやります。

地金を溶かす
ここで地金を溶かします。これガスバーナーですね。(何度ぐらいて溶ける?)銀だ とだいたい1000度から1200度ぐらい。溶けた銀を空け型に入れます。






空け型に入れる
溶かしたものを空け型に入れます。形を整えるものですね。こういうふうに固まり棒 ができあがります。もう流れたら熱くないんです。ここが不思議なとこなんです。こ れを叩いて、形に入れて、丸めて、磨きます。





ヤスリをかける
これからヤスリをかけ、一つの角棒を作ります。こういうバリの出ている部分をすこ しきれいに整えます。






叩く
四角く叩きます。叩けば叩くほど粒子が細かくなって、磨いたあと艶(つや)がよく 出る。だから、なるべく叩いておくんですね。これが手作りの良さね。刀と同じで。 よく叩いてあげるように。






ナマす
叩いたら刀と同じで、かならずナマ(焼いて水に入れる)します。

うちの作業台
(作業台はだれでも同じ?)人によって違います。うちはこれを使ってます。

☆鉄の型に置く こういう鉄の型の中に置いて、叩きます。








叩いて丸みをつける
これが指輪の形で、丸みが出てきます。これを丸めて、削って光らすんです。

またナマす
叩いたから、また同じようにナマします。焼いたらかならず水に入れて。水に入れて もやらかいです。

サイズ棒で丸くする
これサイズ棒っていうんですけどね。鉄のサイズ棒。これで丸くします。

丸くなった こんな具合です。

糸ノコで切る
今度は、きれいに接点を蝋(ろう)づけでくっつけるんです。ここを糸ノコで切って 、合わせます。

銀蝋で接着する
ここに銀蝋っていう、接着するものを載せて、溶かします。金のは金蝋、プラチナは プラチナ蝋。そこはみんな秘密で、独立するときに親方が「プラチナの蝋ってこう作 るんだよ」って教えてくれるんですよね。これはフラックスっていいましてね、銀っ てすぐ酸化して黒っぽくなっちゃうのね。それを無くすために、この蝋を早く流すた めにあるんです。いわゆる、ハンダ付けのペーストみたいなもんかな。ふつうは手で しなきゃいけない。最近、あまり仕事やってないので、奥の手をちょっと使います。 これは、なぜか昔からあるんですよ。あのね、職人の世界っておもしろいもんでね、 手を抜くことって、ずっーと伝わるんです、早く。で、いいことやるのはね、伝わん ねえ。たいていその親方で止まっちゃう。教えない。早く、簡単にやるのは、全国に すぐ広まるんですよね。これが不思議な職人の世界。

ヤスリできれいにする
これをきれいにしていきます。ヤスリを使います。中をやる。これも難しいのよね。 ヤスリと反対の手を動かす作業っていうのがちょっと難しいですね。

サイズを合わせる
またサイズ棒に入れてサイズを合わせます。15号なら15号。これできれいな円ができ ましたね。このあと、もう一度ヤスリをかけます。難しいので、一か月ぐらいやらな いとできない。だいたい工程が多ければ多いほどいいものができるの。今はたいした 工程じゃないから、いいもはできない。

機械で磨く 今度は機械で磨きます。これはバフモーター。全体を磨きます。最初はこっちで中を 磨き、側面を磨きます。次は別の機械で磨きます。これで終りです。水で洗います。 ☆指輪が完成 これで結婚指輪はできあがり。







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